風水を学びたい、という方の中でも特に伝統風水を学びたいという方が、この頃増えてきました。
最近では、風水の講座もあちこちで開かれていたり、本当に勉強になる書籍も増えています。
とはいえ、まだまだ中国の伝統風水とそうでないものが、混在しているのが現状です。
もしあなたが本物の伝統風水を学びたいとお考えなら、これからお伝えする事を良く理解して、風水を学んで欲しいと思います。
・一般的な風水の常識との違いを理解する
多くの人が風水だと思っているもので、実は伝統風水ではない日本だけの、オリジナルのものが存在しています。
というより、むしろそちらの方が風水と思われていると言えます。
例えば、西に黄色い物を置くとか、鬼門にある玄関は危ないなどです。
そして、ソーシャルメディアを賑わしている、シェアすると金運が良くなる画像やら、新月に何かをするなどもその部類です。
やたらと方位や年回り、時期を気にされる方も多いですが、それも間違っている事がほとんどです。
一般的に風水だと思われいてるもので家の間取りを考えて、健康を害したり金運を失って仕事がダメになった例を、たくさん見てきました。
では、なぜ風水と言われているものを実践したのに、結果が悪くなったり何も変わらなかったりするのでしょうか?
・日本源流ではないものを誰から学ぶのか?
風水の源流は、間違いなく中国です。
そして、伝統風水とは中国の長い歴史を生き延びてきた技術であり、知識です。
そもそも、伝統とはなんでしょうか?
日本にも伝統と言われるものがたくさんあります。
たとえば、歌舞伎や相撲なども長い伝統をもつ文化です。
歌舞伎の伝統は、どうやって伝えられているのでしょう?
希望すれば誰でもが伝承できるわけではなく、限られた人だけに伝えられていますね。
親から子へ、師匠から弟子へと伝承された技術や知識が、歌舞伎の伝統を支えていることは、多くの人が知っていることだと思います。
表面的な知識だけなら、書物などでだれもが学ぶことができるでしょう。
しかし、それだけでは体得できない「こつ」や、伝承者だけが知っている「秘訣」については、直接師匠や先生から学ぶ以外に方法はありません。
そして、それこそが伝統を伝統たり得るものとして守っている、とも言えます。
では、中国伝統の風水ではどうかと言えば、やはり似たような方法で伝統を守っているのです。
表面的な技術、知識は膨大な古典に残されていますが、肝心の「こつ」や「直伝」は師匠や先生から学ぶ以外に方法はありません。
日本にも中国から、かなり古代より風水など五術の知識が入って来ています。
仏教の経典などど共に、多くの古典書籍が持ち込まれていて、陰陽師の時代にもそれらの技法を使っていた痕跡があります。
しかし、その当時の知識は中国などから持ち込まれた書籍を、日本で翻訳して使用したのが大半でした。
つまり、直接中国に五術を学びに行き、師について学んだ人がほとんどいなかったということです。
中国側でも、外国人にはおいそれとは重要な風水の技法を教えなかったようです。
偽龍経という、にせものの風水書籍が出回っていたとも言われています。
そして、古典を翻訳しただけの表面的な知識や技法は、日本の文化に取り込まれ
時間が経過すると分かりやすく簡素化されて現代の日本独自の風水となって、広くはびこってしまいました。
ですから、正しい伝統風水を学びたいと考えるならば、中国伝統の風水を正しく継承し学んだ先生から学ばなければなりません。
そうでないと、間違ったオリジナルの風水的なにかを身につけるか、中国の風水であっても表面的な知識だけで終わってしまうことが考えられるからです。
・片寄らずまんべんなく学ぶこと
そして、もう一つ大事なことがあります。
どんな技法を学ぶのかということです。
伝統風水には、大きくわけると二種類の技術系統があります。
理論の中核に、子、丑、寅、卯、、、という十二支の組み合わせの強弱を用いる三合派と、八卦などの易卦(えきけ)の変化を主に用いる三元派(卦理派)です。
歴史的には三合派の方がより古く、三元派は比較的近代に発展しました。
なので現代の日本で中国の伝統風水を学ぼうとすると、目に付くのが玄空飛星派風水などの三元派の技法がほとんどになるでしょう。
特に三元派においては、時間の概念がはっきりしているため、三合派より優れていると言われていたりしますが、それは大きな間違いです。
三合派の技法は、地形を詳細に読み解くことに優れていて、新築の住居で土地や外構、間取りを考える場合に絶対欠かせないものなのです。
ですから、できれば三元派も三合派もどちらも習得している先生から、学んでいただきたいと思います。
そうすればバランスの良い風水学習となり、習得できれば実践でも失敗は少なくなるでしょう。
・風水の対象は家やお墓だが本質は人である
また、風水とひとことで言っても対象となるものが、大きく分けると三種類あります。
・環境(空間)としての風水では住居や店舗、ビルなど陽宅(ようたく)と言われる風水
・亡くなった方のためのお墓の陰宅(いんたく)といわれる風水
・時間をおもに扱う擇日(たくじつ)といわれる日選びの風水
これらの3種類です。
そして、空間としての風水でも大きく2種類の技法に分かれます。
・山や川などの地形や、建物、構造物などの形や大きさなどを分析する巒頭(らんとう)技法
・方位や時間と建物の関係を分析する理気(りき)と言われる技法
日本ではどちらかというと、理気といわれる方位や間取りの善し悪しの風水が、メインになる傾向があるようです。
しかし、地形や近隣の建物、道路などとの関係(巒頭)をあまり考慮しないで家の向きや間取りだけを考えても、良い結果を得る事は難しいでしょう。
ましてや、日時の善し悪しを考えずに行動する(工事したり引っ越したり)ことは、伝統風水では考えられないことです。
一般的に風水を学ぶ入り口は、人がすむ住居のことを扱うという事になると思います。
また、風水を学びたいという場合、お墓の風水を考えている人は少ないでしょう。
だとすれば住居(陽宅)の風水を、巒頭と理気のどちらもちゃんと学ぶ必要があります。
そして、最低限の日選び(擇日)もしっかりと学ばなければいけないでしょう。
これらを学んでこそ、土地や住居の善し悪し、店舗の選択、様々な工事や引っ越しの日程などを決める事が可能となります。
そして、住居の風水を学ぶ事はご自身と家族のために風水を学ぶ事でもあります。
風水はまず自分に使ってみる事こそ、最も有意義な活用方法だからなのです。
・伝統風水は師から弟子へしか伝わらない
陽宅(住居)風水だけを学ぶのならば、ひょっとしたら容易(簡単)だと思われたかもしれません。
でも、陽宅(住居)だけに風水を限定しても、私から学んでいる生徒たちからは「かなり難しい」と言われます。
風水の技法は、すでに膨大な古典の中に出尽くしていて、完成されているといっていいと思います。
今から新しい技法がでてくるという事は、まず考えられません。
すでに、一生かかっても学びきれないほどの古典籍があります。
その中で、実際に現代で使える技法だけでも、かなりの数となります。
その一つ一つの古典は、漢文で書かれているのですが、これ自体は高校生レベルの漢文読解力があれば、よむ事は可能です。
しかし、大半が五術の専門用語であり、古いものほど抽象的な歌、あるいは詩の形で書かれています。
これを読み解くために、いわゆる「鍵」が必要となります。
その「鍵」こそ、師から教わるものであり、長い学習の積み重ねにより身に付いた「こつ」となります。
そして、多くの古典が文字だけで記されていて、今の一般的な書籍の様な分かりやすい図など、ほとんどありません。
わざと難解に書かれていたり一部分間違えていたり、術理に通じていなければつじつまが合わなかったりします。
これは、中華思想を理解していないと、理解できないことです。
つまり中央が華、それ以外は蛮族という考え方が根底にあり、正しい事は他国の人間には広まらないよう何重にもワナが仕掛けられているのです。
たまたま運良く正しい師についたとしても、専門用語をかなり覚えなければなりません。
その用語は漢字の特徴として、多くの意味を含んでいて、それを理解していないと術の本当の意味が分からないのです。
つまり、正しく伝統風水を学んでいくと、段階を踏んでどんどん難しくなっていく、という事なのです。
・実際に鑑定する実践の量が必要
また、本来の学習とは机の上だけでは終わりません。
実際にその知識を使ってみないと、ただ知っただけで終わります。
学んだ知識や技法を使い、実際に住宅などの風水を分析し、改善策を施して経過観察する。
そして、現れた変化が正しく学んだ通りであれば、実感としてその知識技法が身に付きます。
一般的に、一つの事を習得し一人前になるのに必要な時間は、1万時間(約三年)といわれています。
そういう観点から考えると、ちゃんと風水を分析できるようになる為には、300件の住宅を分析し、正しく判断できるかを実践する必要があるでしょう。
では、実際に入門初学の学習者が300件の住宅を鑑定することは可能かというと、そんなに簡単ではありません。
なぜなら、住宅の風水を分析するためには、現地に行き周辺を観察し方位を測り、家の中も観察する必要があります。
友人の家なら、ひょっとしたらお願いすれば分析させてもらえるかもしれません。
しかし、300人も友達(いたとしても)がOKしてくれるかというと、なかなか難しいと思います。
かといって他人では、もっと無理でしょう。
そして、実際に風水を分析した結果が正しいのか間違っているのかを、どうやって知るのか?
という問題もあります。
先生について学んでいればそれを聞く事も可能ですが、一人で学習を進めていると長い期間経過後に、結果で知るしかないという事になります。
その結果、間違っていた場合は悲惨なことにもなりかねません。
ですから、正しい学習に欠かせない実践をどうやって行うかということも、とても重要な要素となるのです。
まとめ
・風水っぽいものをどれだけ学んでも逆効果
中国発祥の風水である以上、中国伝統の風水を学ぶ事が大切。
・自己流で学ぶのには限界がある
古典だけではすべてを知る事が不可能なため、中国の伝統につながる先生から学ぶ必要がある。
・主要な技法を幅広く学ぶ
主流である三合派、三元派の偏りなくどちらも学ぶ事で、正しい判断を下す事が可能。
・風水の鑑定対象は大きく分けると住居や店舗、お墓、日選びがある
まずは自分と家族の住む住居の分析方法を学ぶべき。
地形と方位をバランスよく学ぶ。
・風水学習の難しさ
専門用語、知識の多さと、教科書となる古典の間違いを正解として学んでしまうワナがある。
専門用語の意味、古典の読み解き方など、学習が進むほど難易度がアップする。
・知識と実践
知識として学んだだけでは、風水を本当の意味で理解できていない。
実際の住居を分析し、改善を行うことを繰り返し、正しい結論や改善方法に導けなければならない。
以上を踏まえて良い先生を探し、学ぶのがもっとも良い学習方法です。
これらを満たした伝統風水の学習方法を、私もお教えしています。
伝統風水師に直接学べる講座はこちらです⇒風水師入門講座
伝統風水の通信講座はこちらです⇒伝統風水初級通信講座