風水の歴史は非常に古く、その起源はお墓(陰宅)にあります。
中国の古典『葬書』には、風水の本質が次のように記されています。
「気は風に乗れば散り、水に界されれば止まる。古人はこれを集めて散らせず、これを止(とど)める。そのため“風水”と呼ぶ。」
風水は本来、亡くなった方の安息だけでなく、残された家族・子孫が幸せに暮らしていけるように設計された技術でした。
皇帝の陵墓が徹底的に風水で造営されてきたのも、「子孫繁栄」「国家安泰」を目的としていたからです。
現代のお墓に求められる本当の役割とは?
現代の日本では、お墓を建てる目的が「亡くなった方の供養」に偏りがちです。
しかし本来は、故人を敬いながら、残された家族が幸せに生きていける環境をつくることが、お墓の本質です。
亡くなった方は、この世に残った家族を想っています。
良い場所にお墓を建てるという行為は、故人に対する敬意であり、同時に家族の未来を守る営みでもあります。
風水が考える「良いお墓」とは何か?
風水では、お墓を整えることが子孫の繁栄に影響するとしています。
これは、遺骸(遺骨)を通して大地の気(地の気)が子孫に伝わる「感応作用」という考えに基づきます。
良い風水のお墓には、次の3つがそろいます。
- 地形(巒頭)の条件が良い
山・川・道路などの形勢が整っている。 - 理気(方位)の条件が良い
龍(山)と水の来去や水口の方位の調和、墓石の向きが正しく取れている。 - 亡くなった方の生年月日との相性(仙命)が良い
角度は1°以下で調整する高度な鑑定。
良いお墓は「ただ景色が良い」「好きな場所」という選び方ではつくれません。
環境(地形)− 方位 − 故人との相性がそろったときに、子孫が末長くゆるやかに守られるお墓となります。
都市部・山間部で異なる風水判断
都市部では道路、建物、周辺の水の流れが影響します。
山間部では山の形勢や川の勢いが大きく関係します。
いずれの場合も、以下の地形記事が参考になります。
家族が幸せになれるお墓づくりのために
良いお墓の条件は、巒頭(地形)+理気(方位)+仙命の調和です。
これらが整うお墓は、代を重ねるほどその恩恵が積み重なっていきます。
もし「これからお墓を建てる方」「今のお墓が気になる方」は、まずその場所の地形の良し悪しから判断することが大切です。






