地理風水では龍と一口に言っても、山龍(さんりゅう)と水龍(すいりゅう)の二種類を指し、特に山龍について語られることがほとんどです。
山龍とは、山または山脈のことをいいます。
水龍(すいりゅう)は、またの名を水局(すいきょく)ともいい、川のことをいいます。
ここでは、伝統風水一般でよばれるように、山龍を龍と呼称することにします。
大きな龍が穴(けつ=気の収束点)を結ぶ時、幹龍(かんりゅう)と呼び、特に大幹龍は明堂に都市などを形成します。
幹龍から枝分かれしたものを枝龍(ぎりゅう)とよび、さらに枝分かれした小枝龍は陰宅(お墓)などに用いられます。
葉九升著 山法全書 龍法枝幹部辨龍歌より
また、風水の技術としての発展は、龍の方位を論じる龍法という理気(りき=方位の風水)の発展であり、水龍の方位を論じる水法(すいほう)の発展でもあります。
地形を重視する風水から、方位を重視する風水が生まれてきたのです。
そして、それは陰宅(お墓の風水)のために必要とされ、皇帝の陵墓をつくるために国の政策として研究されていきました。
その後、戦乱によって民間にもそれらの技術、知識が広がるようになり、長い歴史をへて爆発的に広がった技術、知識は検証され淘汰されて、より効果的なもの,再現性のある技術のみが残ってきました。
伝承される知識の中には、難解すぎて失われたものも多く、とくに日本には正しい風水技術は、現在にいたるまでほとんど伝わっていないのが現状です。
他国に嘘の風水として広げられた偽物の風水書籍(滅蛮經)があり、それが現在日本などで多く目にする八宅派といわれるものだともいわれていますが、真相は分かっていません。