実は吉日選びの風水、擇日(たくじつ)でも同じで、結婚について良い日を選ぶ場合、女性を中心に考えることが多いです。
やはり、女性には出産という大きな仕事が待っているからですね。
この考え方は、古来より「家庭を支えるのは女性の力」という思想にも通じています。
そのため、女性が安心して過ごせる環境を整えることが、家庭全体の安定や繁栄に直結すると考えられてきました。
特に重視される空間が「寝室」です。寝室は女性にとって休息と再生の場であり、心身を整える大切な空間です。
擇日には「修置産室(しゅうちさんしつ)」という言葉がありますが、これはまさに「女性が寝起きする部屋を整えるのにふさわしい日」を意味します。
もし新築やリフォームの計画がある場合、この吉日を選んで寝室を整えることで、女性にとって(特に出産前の)より良いエネルギーを取り込むことができるのです。
さらに擇日の実践においては、単に暦上の吉日を選ぶだけでなく、「その人の生まれ年」との相性を重視します。
これは干支の相性による考え方で、たとえば辰年生まれの方にとって戌日は「冲(ちゅう)」といわれる相剋関係にあたり、大きな行動を起こすには適していません。
このような日を避けることで、余計なトラブルを未然に防ぐことができるのです。
つまり、吉日選びとは万人に共通のカレンダーではなく、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの暦といえるでしょう。
こうした擇日の知恵は、結婚や出産だけでなく、店舗のオープン、契約、引っ越しといった人生の転機にも有効です。
「大安だから大丈夫」といった一般的な六曜だけに頼るのではなく、自分にとっての最良の日を選ぶことができれば、安心感が増し、行動にも自信を持つことができます。
擇日風水は、単なる縁起担ぎの吉日選びではありません。
2000年以上の歴史を持つ伝統的な技術であり、自然界のリズムと人の運気を調和させるための知恵です。
これから家を建てる方、結婚や開業など大きな節目を迎える方は、ぜひ擇日の考え方を取り入れてみてください。
人生の大切な瞬間を、より良い方向へと導いてくれるはずです。
伝統風水師秀山


