間取りや方位はもちろん大切ですが、その前に周囲の環境を無視してしまうと、せっかくの風水改善も十分な効果を発揮できません。
実際に、私が鑑定に伺った店舗でもその典型的な例が見られました。
依頼を受けた物件は、つい最近閉店したばかりのお店。
出発前にグーグルアースで確認したところ、建物の正面に向かって右側に、ひときわ大きな建物が立っているのを見つけました。

「おそらくこれが原因だろう」と予想して現地に向かったのですが、実際に周辺を歩いて調査し、方位を測ってみても結論は同じ。
建物の右手にあたる「青龍砂(せいりゅうさ)」が大きすぎる状態だったのです。
依頼された店舗は2階建てほどの高さでしたが、その隣の建物は3階建てで、しかも面積も倍以上。
都市部の風水では、山や川の代わりに建物や道路が四神相応の役割を果たします。
そのため、右側にあたる青龍が過剰に強くなると、店主やその家の男性リーダーに悪影響が出やすくなります。

私の経験では、青龍が強すぎると、主人が権威的になり周囲が萎縮してしまったり、人間関係のトラブルが起きたりする傾向があります。
さらに重い場合には、健康運や生命にまで影響が及ぶこともあるのです。
この点を依頼主にお伝えしたところ、
「実は、この建物が建ったあと、しばらくして閉店に追い込まれました」
との答えをいただきました。
まさに青龍の影響が現実に表れていた例といえるでしょう。
風水の基本はバランスにあります。
本来、青龍砂は建物を守り、繁栄を後押ししてくれる存在ですが、力が大きすぎれば逆に凶となります。
風水の世界でよく言われる「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉が、まさにここに当てはまるのです。
これから店舗を借りる、家を建てる、あるいは引っ越す予定がある方は、ぜひ間取りや方位だけでなく、周囲の建物や地形との関係を確認してみてください。
それが運気を大きく左右する第一歩となります。
伝統風水師秀山