車や人が流れる様子は、水の流れそのものであり、その配置や形状が財運や事業の盛衰に大きな影響を与えるのです。
つまり、建物と道路との関係は、まさに「川との関係」であり、収入や経営状態を左右する重要な要素となります。
今回は、その中でも「形殺(けいさつ)」と呼ばれる、形や見た目で分かる悪い風水の典型例をご紹介しましょう。
代表的なのが「剪刀殺(せんとうさつ)」と呼ばれる状態です。

これは鋭角の道路に挟まれた土地や建物のことで、まるでハサミで切られるように強い圧迫を受けます。
この配置は、口論や裁判沙汰、交通事故、怪我や手術など、突発的なトラブルを招きやすいとされています。
ビジネスにおいては、お客様との口論や訴訟問題といった事態を引き起こしやすく、まさに致命的な環境と言えるでしょう。
そのため、このような立地のテナントや店舗は、できる限り避けるべきです。
しかし、すでにそのような場所に住んでいる、あるいは借りている場合には、適切な対策を講じる必要があります。
最も効果的な方法は、鋭角部分に生け垣などの植栽を設け、目に見える形を和らげることです。緑は気を調和させ、鋭い形の持つ攻撃性を吸収してくれます。
もし植栽が難しい場合には、「石敢富(いしがんとう)」という伝統的な化殺用具を用いるのが有効です。
これは石板に「石敢富」と彫り込んだものを鋭角の頂点に向けて設置し、悪い気の流れを鎮める役割を果たします。
たとえば、道路の鋭角が建物に突き刺さるような位置関係であれば、その方向に石敢富を設置することで、形殺の影響を大幅に軽減できるのです。
形を重んじる風水の基本は、当然その「形」を整えることにあります。
形や見え方が生み出す不調和は、気の流れを乱し、日常生活やビジネスに直接悪影響を及ぼします。
したがって、まずは環境の「形」を改善することが第一歩です。
どうしても形の改善が難しい場合に限り、石敢富などの風水グッズを適切に用いることで補正を行います。
形殺は見た目で判断できるだけに、その影響は軽微に思えるかもしれません。
しかし、影響力はわりと大きく、簡単には軽視できないものです。
風水的に問題と考えられる道路の形や、鋭角な交差点のそばに建つ建物は、とくに注意が必要です。
もしご自身の住居や店舗、事業所がそのような環境にあるならば、早めの対策を検討することをおすすめします。
伝統風水は占いや単なる迷信ではなく、学術的法則と長年の観察、経験に基づいた環境心理学とも言われています。
形や配置を整えるだけで、驚くほど生活の質が向上し健康や収入が改善するケースも少なくありません。
その中でも道路(川)という「水」とどう付き合うか?
それが、運気を左右する大きな鍵なのです。
伝統風水師秀山