初めて伝統風水に触れる方の多くが誤解しがちなのが、「趨吉避凶(すうきちひきょう)」という考え方。
これは「吉を取り入れ、凶を避ける」という風水の基本的な姿勢を表す言葉ですが、悪い条件をひとつ見つけると「だから不運が起きるのだ」と過剰に心配してしまうケースが少なくありません。
実際、このブログでもよく取り上げるように、屋外には「形殺(けいさつ=良くない地形や構造)」と呼ばれる要素が点在しています。
たとえば以下の写真は「探頭殺(たんとうさつ)」です。
突き出した構造物や鋭いものが視界に入る場合、盗難や災難に遭いやすいとされます。
もちろん、風水が人生に大きな影響を与えるのは確かです。
しかし、形殺がひとつあるだけで深刻に考える必要はありません。
もし数年住んでいて特に問題がなかったのであれば、それは風水だけが原因ではないのです。
むしろ注意すべきは、悪い条件が三つも四つも重なり、さらに四柱推命などでみる運勢の時期が弱まっている場合です。
そうしたときは、すでに何らかの不調や問題が表れていることも少なくありません。
したがって、形殺がひとつ見つかった程度で慌てる必要はありません。
対策としては、部屋から見える不吉な景色をカーテンで隠すなど、シンプルで現実的な方法で十分です。
風水は、恐れるものではなく、生活をより快適にするための知恵。
柔らかな発想で取り入れることが、吉運を呼び込む第一歩なのです。
伝統風水師秀山


