ビジネスや住居においては、建物の前方にあるスペース(明堂:めいどう)の広さがとても重要です。
広ければ広いほど、水(気)をとどめ、財運を呼び込むとされています。
しかし、ただ広ければ良いというものではありません。
実は、前方の土地が徐々に下がっていく形は逆効果。
この状態を伝統風水では 「捲簾水(けんれんすい)」 と呼びます。
捲簾水の地形では、せっかく入ってきた気(エネルギー)が前にとどまることなく、そのまま外へと流れ出してしまうのです。

階段状の土地や、坂になって徐々に下がる立地などが典型的な例です。
先日、陰宅(いんたく:お墓)の調査に伺った際にも、この捲簾水の地形を目にしました。

住居(陽宅)でも同じことが言えます。
陰宅、陽宅、どちらの場合も前方が下がっている土地では、財運や良い気がとどまらないため、繁盛や安定を望みにくいのです。
意外なことに、最近建てられる新しい住宅でも、土地を盛り土して造成し、正面がゆるやかに下がっているケースをよく見かけます。
見た目は広々として気持ち良いように見えても、風水的には「財が貯まらず流れ去る土地」と判断されます。
このように、前方のスペース(明堂)と水の関係は、ビジネスや住まいの繁栄において非常に重要な要素です。
風水で繁盛する立地を選ぶ際には、単に「明堂が広いかどうか」だけではなく、「形」「地形:高低差」までしっかり確認する必要があります。
良い気をとどめる土地こそが、財運を生み出し、ビジネスの繁栄へとつながっていくのです。
伝統風水師秀山