吉日選び(擇日たくじつ)

一粒万倍日は吉日ではありません


最近SNSなどで、いろんな人が吉日について触れています。

たとえば2018年7月1日に、「一粒万倍日の天赦日で、年に何度もない超開運日」という書き込みがたくさんありました。


伝統風水では、吉日選びを擇日(たくじつ)といい、とても重要視しています。

擇日で用いる暦を、通書(つうしょ)といい、簡単な使い方について、講座や動画解説などでお伝えしてきました。


この通書で、2018年の7月1日を見てみれば先ほどのソーシャルで流布した大吉日とは、ほど遠い日だとわかります。


そもそも、日本の暦は古くから中国から伝わってきたものを使ってました。

陰陽寮では当時自前の暦をつくる知識、技術がなかったためそれを使用し、厳重に管理していたのです。


それまで一般人は暦を使っていなかったのですが、平安時代から江戸時代途中まで800年以上という長い期間使われていたため、その暦が民間に広まりました。

その中で暦注(れきちゅう)という、いわゆる神殺とその解説が入るのですが、それが中国から伝来した正当なものと、日本で新しく作られたものが入り交じっています。

先ほどの例では、天赦は現在の中国の通書でも用いられますが、一粒万倍日は日本独自のもの。
一粒万倍日は宣明暦時代には記載されていたが、地方暦によっては記載されていない物もあった。貞享暦以降は暦注から外されたが、新暦が普及してから民間暦に掲載されるようになった。
wikipedia

しかも一度使われなくなったのですが、陽暦を用いるようになってから、また民間の暦に記載されるようになったようです。

また天赦の巡る日は多くの凶神を解除しますが、ある凶神に出会うとさらに凶意が増すため、手放しで良い日とは言えません。

たとえば、遊禍(ゆうか)という凶神が一緒だと非常に危険で、とくに病気治療や手術などは避けた方が良いでしょう。

他にも土符(どふ)という凶神と一緒になると、建築や工事一般が大凶となります。


こんなふうに、擇日においてはたくさんの神殺が月の満ち欠け、太陽の運行、日々の干支の巡りから巡ってきます。

その中で、吉神と凶神のバランスから行うべきことの善し悪しを調べて行くのが正しい方法です。

多くの人が言っているからといって、間違った情報で行動するのは危険ですので、ご注意下さい。


あまりにもSNSで多くの人たちが間違った情報を流すので、ちょっと書いてみました。

ちなみに、不成就日も日本独自の凶日ですので、気にする必要はありませんよ。



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